仙腸関節の評価・治療
仙腸関節挙動
ニューテーション:腸骨に対して仙骨が前傾(お辞儀)する運動
カウンターニューテーション:後傾する運動
仙腸関節の挙動機構と骨盤不安定性による付着部障害発生部位
ニューテーション:仙結節靭帯が挙動を制動
カウンターニューテーション:長後仙腸靭帯が制動
→仙腸関節に不安定性が生じると、同靭帯付着部に牽引ストレスが作用し、付着部症として圧痛を呈する
仙腸関節の位置異常の評価
示指を上前腸骨棘にあて腸骨の回旋を評価
右の上後腸骨棘が左よりも上にあれば右の腸骨が前傾していると評価し、右の仙腸関節に症状がある場合には仙骨は腸骨に対して相対的に後傾していると評価する。
仙腸関節の位置異常の修正エクササイズ
カウンターニューテーション型の障害:腸骨を後方回旋に誘導したい場合
端座位で、徒手抵抗下で、膝伸展位の下肢挙上運動を行わせることで仙腸関節において腸骨前方回旋の負荷が加わり、ハムストリングスなど腸骨後方回旋群を活動させることになり、腸骨後方回旋方向に誘導します。
ニューテーション型の障害:腹臥位にて、徒手抵抗下で膝関節屈曲運動を行う。大腿直筋の活動により腸骨は前方回旋方向に誘導される。
修正されても位置異常が再発されることが多いため、その位置を保持するための安定性の獲得が必要になる。